平成23年度研究課題リスト

公募研究課題
[課題名/代表者名(所属職位)/組織(研究分担者(所属):研究分担・専門領域)/課題概要]

  1. 20世紀前半期における日本の記録映画受容全史[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    奥村賢(いわき明星大学教授):映画/映像研究
    研究分担者:
    川村健一郎(立命館大学准教授):映画史、映像アーカイヴ
    佐崎順昭(東京国立近代美術館フィルムセンター客員研究員):映画史
    濱田尚孝(映画研究者):映画史
    課題概要:
    学術領域において軽視されがちな記録映画に適正な照明を与えるという目的のもと、前年度の1930年代から40年代という考察対象をさらに広げ、日本における記録映画の受容について、より正確な歴史的位置づけをおこなう。


  2. 坪内逍遥遺文の網羅的収集調査と紹介に関する研究[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    松山薫(早稲田大学図書館職員):日本演劇・舞台美術史・博物館学
    研究分担者:
    林京平(財団法人逍遙協会理事):日本演劇
    菊池明(財団法人逍遙協会理事):日本演劇
    梅澤宣夫(早稲田中学高等学校教諭):日本近代文学
    濱口久仁子(逍遥協会事務局長):日本演劇・舞踊
    課題概要:
    『坪内逍遥新集』全6巻の刊行のための準備研究を行う。『坪内逍遥新集』のうち『坪内逍遥書簡集』は、全国の逍遥書簡を網羅するなかから、著名な文学者演劇研究者宛書簡を中心に収録するが、本年度はそのための書簡の集成と、翻刻・解題を行う。

  3. 日本映画における〈国家〉の表象と文化的〈公共性〉の構築に関する 学際的研究[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    山本佐恵(日本大学芸術学部非常勤講師):美術史及び映画史
    研究分担者:

    畑中朋子(拓殖大学工学部助教): コンテンツデザイン教育及び芸術支援学
    松谷容作(神戸大学大学院人文学研究科学術推進研究員):美学及び表象文化論
    畑あゆみ(愛知県立大学非常勤講師):日本記録映画史及び記録映画理論
    土山陽子(早稲田大学大学院文学研究科博士課程):写真史及び写真論
    溝渕久美子(名古屋大学大学院人間情報学研究科博士課程):日本映画史及び映画理論
    洞ヶ瀬真人(ハーバード大学イエンチン研究所客員研究員):映画史及び映像文化論
    課題概要:
    日本映画がいかに「国家」を表象してきたのか、その流通を通じてどのように文化的な「公共性」が形成されたのかを、早稲田大学演劇博物館が所蔵している豊富な映画資料を基盤として実証的に検証する。その際、本研究は、政治・社会・経済などの「公的な」要請と、映画の作り手(製作者・監督・脚本家)の「私的な」要請との絡み合いが作り出す「国家」表象のロジックに着目する。

  4. 明治・大正期の歌舞伎興行と狂言作者の周辺についての研究[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    神田由築(お茶の水女子大学大学院准教授):日本近世史
    研究分担者:

    佐藤かつら(鶴見大学文学部准教授):日本近世演劇(文学)
    中村緑 (東京大学大学院人文社会系研究科博士課程):日本近世演劇
    木村涼 (演劇博物館助手):日本近世史・博士(歴史学)
    磯部孝明 (総合研究大学院大学文化科学研究科 日本歴史研究専攻博士後期課程):日本近世史・修士(歴史学)
    課題概要:
    2009年度の「狂言作者竹柴其水興行関係資料の基礎的研究と翻刻作業」、2010年度の「明治・大正期の歌舞伎狂言作者および興行関係資料の研究」というふたつの共同研究にて行った竹柴其水県警資料の調査を通じて新たに確認された其水関連資料(主に書簡)について、先の研究であたった資料群とあわせて総合的に把握することにより、引き続き明治・大正期の興行の様相を明らかにするとともに、より竹柴其水に密着して狂言作者の周辺の研究を進めることを目的とする。


  5. 帝政期ロシア映画関連資料の多角的研究[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    大傍正規(早稲田大学演劇博物館グローバルCOE助手):映画学
    研究分担者:
    八木君人(慶應義塾大学非常勤講師):ロシア・フォルマリズム、ロシア・アヴァンギャルド
    河村彩(教育総合科学学術院助手):美学
    課題概要:
    早稲田大学戸山図書館に収蔵されている、現存する帝政期ロシア(一部ソヴィエト時代も含む)の映画雑誌全てと、21世紀COEが購入し、演劇博物館に移管された「帝政期ロシア映画関連資料」を一部用いて、「帝政期ロシアにおける初期映画」の全体像を明らかにする。

  6. 河竹黙阿弥の作品研究[成果報告:平成23年度]

    代表者:

    岩井眞實(福岡女学院大学教授):歌舞伎研究
    研究分担者:
    今岡謙太郎(武蔵野美術大学総合科目教養文化教授):歌舞伎、落語研究
    寺田詩麻(早稲田大学オープン教育センター非常勤講師):歌舞伎研究
    金子健(早稲田大学文化構想学部非常勤講師):歌舞伎研究
    埋忠美沙(早稲田大学演劇博物館グローバルCOE特別研究生):歌舞伎研究
    倉橋正恵(同志社女子大学文学部非常勤講師):歌舞伎研究
    日置貴之(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程):歌舞伎研究
    課題概要:
    幕末から明治中期の江戸で活躍した狂言作者、河竹黙阿弥について、①台本と合巻の調査・翻刻、②主要作の典拠研究を二本柱として研究を進め、黙阿弥作品の全貌の解明を目指す。

  7. 戦後映像文化史におけるオルタナティヴ的実践についての実証的研究― 幻灯/スライドメディアの再評価及び映画・演劇界との連携の実態の検証を中心に―[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    鷲谷花(早稲田大学文学学術院非常勤講師):映画学
    研究分担者:

    岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員):映画史
    紙屋牧子(東京造形大学非常勤講師):映画学
    坂尻昌平(日本大学芸術学部非常勤講師):映画学
    土居安子(財団法人大阪国際児童文学館主任専門員):児童文学
    安井喜雄(神戸映画資料館館長):フィルムアーカイヴ
    吉原ゆかり(筑波大学人文社会科学研究科准教授):比較文学
    Robert Tierney(イリノイ大学・東アジア研究科准教授):文学
    李正旭(筑波大学大学院人文社会科学研究科・博士課程・大学院生):文学・修士
    中野正昭(早稲田大学演劇博物館・特別招聘研究院):演劇学・修士
    課題概要:
    主に1945年以降の日本において、大企業による商業的映像・演劇作品の製作という、主流とは方向性を異にするオルタナティヴ的実践について、アーカイヴ所蔵資料の発掘・整理と、存命の関係者への聞き取り調査を通じて、資料体を充実させ、研究の先鞭をつけることを目指す。具体的には、占領期から昭和40年代にかけ、教育・啓蒙・宣伝・娯楽装置として広く活用された「幻灯/スライド」メディアについての調査研究を行い、同時代の映画及び演劇界との連携についても視野に入れつつ、その知られざる実態を解明することを目指す。


  8. 近代日露演劇交流とその文脈[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    上田洋子(早稲田大学文学学術院非常勤講師):ロシア演劇・文学 博士(文学)
    研究分担者:

    永田靖(大阪大学大学院文学研究科教授):演劇学・ロシア演劇
    藤井慎太郎(早稲田大学文学学術院教授):フランス演劇・芸術文化環境学
    内田健介(千葉大学大学院人文社会科学研究科修了):ロシア文学・演劇博士
    伊藤愉(一橋大学大学院言語社会研究科博士課程):ロシア演劇
    粕谷典子(早稲田大学文学学術院非常勤講師):ロシア文学・修士
    斉藤慶子(早稲田大学文学学術院博士課程):ロシア舞踏史 修士 
    課題概要:
    20世紀前半における日露演劇交流の諸相を明らかにすることを目的とする。これまで日露どちらか一方の視点から個々の現象が取り上げられているに過ぎなかった同領域の研究について、その相互作用を包括的にとらえる試みである。

  9. 「鴻池幸武・武智鉄二関係資料」の公開に向けた研究・調査[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    児玉竜一(早稲田大学文学学術院教授):近世演劇(歌舞伎・文楽)
    研究分担者:

    桜井弘(国立文楽劇場・企画政策課課長):人形浄瑠璃
    坂本清恵(日本女子大学文学部教授):近世日本語学(浄瑠璃等)
    川口節子 (目白大学短期大学部非常勤講師):人形浄瑠璃
    淵田裕介(国立文楽劇場企画制作課):人形浄瑠璃
    内山美樹子(早稲田大学演劇博物館名誉教授):人形浄瑠璃
    小島智章(早稲田大学演劇博物館助手):近代文楽研究史
    金昭賢(早稲田大学文学学術院博士課程):人形浄瑠璃
    原田真澄(早稲田大学演劇博物館グローバルCOE研究助手):人形浄瑠璃
    課題概要:
    演劇映像学連携研究拠点所蔵の資料(仮称「鴻池幸武・武智鉄二関係資料」)の調査・整理を行い、演劇博物館において一般向けに公開可能なところまで持っていくことを目的とする。

  10. 無声映画のフィルムとテクストの対照にもとづく相互的同定研究[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    上田学(早稲田大学演劇博物館助手):映画学
    研究分担者:
    板倉史明(東京国立近代美術館フィルムセンター研究員):映画学
    今田健太郎(大手前大学メディア芸術学部非常勤講師):音楽学
    碓井みちこ(関東学院大学文学部専任講師):映画学
    大久保遼(東京大学大学院・学際情報学府博士課程):社会学
    土田牧子(日本学術振興会特別研究員):音楽学
  11. 横田洋(大阪大学総合学術博物館研究支援推進員):演劇学
    課題概要:
    無声映画のフィルムと、台本等のテクストの対照調査を通じて、演劇博物館が所蔵する映画のコンテンツおよびコンテクストを、相互的に同定するという目的に従い、 ①映画『闇の力』のコンテンツおよびコンテクストの同定、②中村歌扇関連映画のコンテンツおよびコンテクストの同定、③連鎖劇台本におけるコンテンツおよびコンテクストの同定を行う。

  12. 日本における近代音源資料アーカイブ-蝋管以降の特殊音源を中心として-[成果報告:平成23年度]

    代表者:
    飯島満(東京文化財研究所音声映像記録研究室長):古典芸能
    研究分担者:

    宮田繁幸(東京文化財研究所無形文化遺産部長):無形文化遺産保護政策
    中山俊介(東京文化財研究所近代文化遺産研究室長):船舶工学
    大西秀紀 (立命館大学文学部非常勤講師):近代芸能史
    櫻井弘(国立劇場・調査養成部資料サービス課課長):古典芸能
    柳知明(大阪芸術大学博物館事務長):
    八日市屋典之(金沢蓄音機館館長):
    永井美和子(早稲田大学演劇博物館):修復技術
    課題概要:
    映像資料研究において、音声資料、殊に目録整備のみが行われている音盤については研究が進んでいない。当研究は、各収蔵機関との相互協力により、音源媒体の調査・音声収録を行い、更に平行して、所蔵機関へのリサーチを進めて、より多くのデータ集積を行う。最終的に、現在国内に現存する特殊音声媒体資料の音声アーカイブ並びにデータベースを構築し、共同研究の成果公開と活用とができるかたちにしたい。

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