平成24年度研究課題リスト
公募研究課題
[課題名/代表者名(所属職位)/組織(研究分担者(所属):研究分担・専門領域)/課題概要]
- 幻燈種板及び機器の画像データ作製調査 [成果報告:平成24年度]
代表者:
藤岡幹嗣(立命館大学映像学部准教授):研究統括、映像制作
研究分担者:
池田光惠(大阪芸術大学芸術計画学科教授):映像
松本夏樹(武蔵野美術大学、大阪芸術大学非常勤講師):メディア史
課題概要:
幻燈種板を中心とする初期映像機器の総合的比較調査研究の先鞭を付けるという観点から、種板とこれに付帯する映像機器の画像データ製作と整理を実施し、早稲田大学演劇博物館所蔵品データとの共有化をはかって行く。 - 日本記録映画の生成と興隆―受容史的視点からの考察― [成果報告:平成24年度]
代表者:
奥村賢(いわき明星大学人文学部表現文化学科教授):研究統括、映画・映像研究
研究分担者:
川村健一郎(立命館大学映像学部准教授):科学映画の調査
佐崎順昭(東京国立近代美術館フィルムセンター客員研究員):記録映画関係文献資料の目録化
濱田尚孝(日本映画大学図書館職員):官庁映画の調査
堤龍一郎(目白大学非常勤講師):海外との関係についての調査
課題概要:
学術領域において軽視されがちな記録映画に適正な照明を与えるという目的のもと、戦前から戦中期にかけての日本記録映画史における受容の流れについて調査し、日本における記録映画の受容について、より正確な歴史的位置づけをおこなう。
- 吉田文庫所蔵調査と吉田東伍の学問の体系的研究 [成果報告:平成24年度]
代表者:
江口文恵(法政大学能楽研究所兼任所員):研究統括
研究分担者:
竹本幹夫(早稲田大学文学学術院教授):書誌調査・資料撮影
青柳有利子(日本学術振興会特別研究員):資料整理・書誌調査
中尾薫(大阪大学大学院文学研究科専任講師):資料整理・書誌調査
課題概要:
近代能楽研究の創始者である吉田東伍(1864-1918)。吉田本人およびその学問を体系的に解明するために、吉田文庫の悉皆調査を完了し、公開することをめざして、同文庫の未調査分の資料調査及び写真撮影を行う。
- 文明戯の多角的研究 [成果報告:平成24年度]
代表者:
瀬戸宏(摂南大学外国語学部教授):研究統括
研究分担者:
飯塚容(中央大学文学部教授):文明戯と映画
平林宣和(早稻田大学政治経済学学術院准教授):文明戯と伝統演劇
鈴木直子(早稲田大学商学部非常勤講師):文明戯と日本演劇
李宛儒(早稻田大学演劇博物館招聘研究員):台湾の文明戯
課題概要:
資料集『文明戯研究文献目録』(好文出版 2007年2月)、論文集『文明戯研究の現在』(東方書店 2009年2月)などの成果を受け継ぎ、①文明戯の発端問題-清末学生演劇の実態研究、春柳社の位置、②1920年代以降の文明戯の上演状況、③文明戯と初期映画の関係、④台湾への文明戯の伝播とそれが台湾近代劇成立に与えた影響、⑤最盛期の文明戯の上演形態に重点を置き、文明戯研究を更に発展させる。
- 「映画以後」の幻灯史に関する基礎的研究 [成果報告:平成24年度]
代表者:
鷲谷花(早稲田大学文学学術院非常勤講師):研究統括
研究分担者:
鳥羽耕史(早稲田大学文学学術院准教授):戦後サークル運動における幻灯
中野正昭(早稲田大学演劇博物館招聘研究員):演劇史における幻灯
岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員):フィルムアーカイヴ調査
紙屋牧子(東京造形大学非常勤講師):占領期日本文化史における幻灯
坂尻昌平(日本大学芸術学部非常勤講師):映画史における幻灯
土居安子(財団法人大阪国際児童文学館主任専門員):児童文化史における幻灯
安井喜雄(神戸映画資料館館長):フィルム保存と修復
吉原ゆかり(筑波大学人文社会科学研究科准教授):植民地における幻灯史
Robert Tierney(イリノイ大学東アジア研究科准教授):東アジアにおける幻灯史
李正旭(筑波大学大学院人文社会科学研究科博士課程):プロレタリア文化運動における幻灯
課題概要:
各所蔵機関との連携により、資料の保管状況を確認、整理と内容の精査をおこない、映画、演劇、写真、美術などの他のメディアと密接な関係をもちつつも、それらの「前史」や「代用品」に留まることのない独自のメディアとしての「幻灯」の知られざる歴史について、具体的かつ包括的な解明を進めてゆく。併せて、幻灯の製作及び幻灯会活動に関った存命の当事者に対する聞き取り調査を進めることによって、幻灯についての全般的な文献資料の不備を補いうる情報を収集する。また、発見した幻灯フィルム及びスライド資料のうち、重要な資料的価値をもち、経年劣化が著しいものについては順次デジタル及びアナログによる修復・復元を進め、かつ、上映・展示イベントを通じた一般への公開を進めてゆく。
- 寺山修司の創作―一次資料から明らかにする活動実態― [成果報告:平成24年度]
代表者:
岡室美奈子(早稲田大学文学学術院教授):研究統括
研究分担者:
梅山いつき(日本学術振興会特別研究員PD):現代演劇論
安田茂美(株式会社インプレシオン):現代文化論
池田百合(電通株式会社):現代文化論
課題概要:
前衛演劇の父と称されるほど多大なる影響力をほこった演劇人であっただけでなく、歌人としても豊かな資質を備えた文学者であり、かつ優れた映像作品を残した映像作家でもあった寺山修司の創作について、演劇博物館が所蔵している作品の一次資料を用いながら、その活動実態を明らかにする。
- 河竹黙阿弥の作品研究 [成果報告:平成24年度]
代表者:
岩井眞實(福岡女学院大学人文学部表現学科教授):研究統括
研究分担者:
今岡謙太郎(武蔵野美術大学教授):講談・落語の研究
埋忠美沙(日本学術振興会特別研究員PD):幕末作品の研究
金子健(文化庁文化財部伝統文化課・文部科学技官):化政期作品の研究
倉橋正恵(同志社女子大学文学部非常勤講師):幕末作品の研究
寺田志麻(早稲田大学オープン教育センター非常勤講師):明治作品の研究
吉田弥生(文京学院短期大学英語科准教授):講談・落語の研究
課題概要:
現在の黙阿弥研究の問題点である、台本を中心とする資料整備の遅れと、作品の典拠研究の停滞を解決すべく、①台本と合巻の調査・翻刻と、②主要作の典拠研究をおこない、黙阿弥作品の全貌の解明を目指す。なお本研究は、2010年度公募研究「河竹黙阿弥の台本・正本写研究」と2011年度公募研究「河竹黙阿弥の作品研究」を継続しているが、②典拠研究について舌耕芸との関連に重点を置くことを本年度の新たな柱とする。
- 近代文楽と写真・美術をめぐる基礎的研究 [成果報告:平成24年度]
代表者:
児玉竜一(早稲田大学文学学術院教授):研究統括
研究分担者:
内山美樹子(早稲田大学演劇博物館名誉教授):人形浄瑠璃
小島智章(早稲田大学演劇博物館助手):近代文楽研究史
金昭賢(早稲田大学文学学術院博士課程):人形浄瑠璃
原田真澄(早稲田大学文学学術院博士課程):人形浄瑠璃
川口節子 (目白大学短期大学部非常勤講師):人形浄瑠璃
淵田裕介(国立文楽劇場企画制作課企画制作係):人形浄瑠璃
飯島満:東京文化財研究所無形遺産部 音声・映像記録研究室長:人形浄瑠璃
永井美和子:早稲田大学教育学部非常勤講師:資料修復
増野恵子:早稲田大学教育学部非常勤講師:美術史
大西秀行:京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター非常勤講師:音盤研究
課題概要:
近代の人形浄瑠璃文楽の資料を、演劇研究と美術研究の両面から多角的に検討し、その成果を演劇博物館の文楽資料の整理に反映できるよう、基礎的な調査・研究をおこなうことを目的とする。
- 19世紀末から20世紀前半のフランスにおける「絵描きの仕事」と舞台芸術界の美学的関連ならびに人的交流をめぐる研究 [成果報告:平成24年度]
代表者:
間瀬幸江(早稲田大学文学学術院助教):研究統括
研究分担者:
クリスティーヌ・アモン=シレジョル(パリ第三大学演劇学科教授):19世紀末~20世紀象徴主義演劇と関連出版物に関する研究
セシル・クータン(フランス国立図書館演劇部門主任学芸員):舞台美術と装置図を中心とした研究
藤井慎太郎(早稲田大学文学学術院教授):フランス語圏ヨーロッパと北米における現代舞台芸術
課題概要:
無名の装置家たちや、美術界あるいは文学界では有名であるが劇界では単発的あるいは副次的にしか仕事をしなかったために劇界との関連についての研究が遅れがちとなっている挿絵画家や作家などの仕事のデータを収集し、19世紀末から20世紀前半にかけてのフランス劇界の人的交流ならびに美学的連関を大局的に見渡す研究の端緒を開く。
- 佐野碩と世界演劇 [成果報告:平成24年度]
代表者:
上田洋子(早稲田大学文学学術院非常勤講師):研究統括
研究分担者:
永田靖(大阪大学大学院文学研究科教授):演劇学・ロシア演劇
内田健介(千葉大学大学院人文社会科学研究科修了):ロシア演劇
斉藤慶子(早稲田大学文学学術院博士課程):ロシア舞踏史
課題概要:
早稲田大学演劇博物館、メキシコ・ロドルフォ・ウシグリ演劇研究所、ロシア・バフルーシン演劇博物館などの資料調査を通して、国際的なネットワークのもとで、世界で活躍した日本人演出家佐野碩の活動を明らかにする。また、演劇博物館所蔵の日露演劇交流関連資料の整理を進め、日本演劇史における日露演劇交流の意義を考察する。