全体計画の概要
演劇映像学研究拠点においては、拠点が研究テーマを提案して学外諸機関と連携した共同研究を行い、そこに広く研究者の参集をも呼びかけるテーマ研究と、本拠点の研究資源の有効利用を前提とする研究テーマを一般に公募して、審査・採択された研究テーマに共同研究の場と研究資料とを提供する公募研究とを行う。また合わせて拠点としての研究資源の充実と演劇現場との連携を視野に入れる。
研究内容は、とくに次の点に留意する。
- 演劇映像文化環境の重視
- 演劇・映像テクノロジーの研究の重視
- 演劇・映像制作の現場との連携研究の重視
- 日本演劇作品の海外発信の重視
このような研究的な視点を有効なものとするために、運営委員の構成は、演劇映像学の研究者のみならず、社会学・歴史学・建築学・情報学・日本文学・外国文学の研究者などを加えることを念頭に置く。こうした視点による研究は、従来の演劇映像学にはない新たな研究テーマを生み出すことになるであろう。そのことが演劇映像学という学問領域をより大きく活性化させることになろう。なお本拠点においては、類演劇的な芸能や舞踊をも演劇学研究の対象とする。資料収集を目的とした研究も受け入れるが、収集資料はすべて拠点に帰属するものとする。
予定している研究内容は、次の通りである。
(1)「日中共同による資料研究を通じて両国文化資源の発掘」→前掲研究内容の1・4が関連
(2)「古典演劇復元研究:歌舞伎を中心とする連携研究構想」―試演実験を目指した歴史研究との合同→前掲研究内容の1・2・3が関連
(3)「国内演劇や研究者、海外研究拠点との提携による現代演劇の遡源的研究と環境研究」→前掲研究内容の1・3・4が関連
(4)「すぐれた現代演劇・古典演劇作品テキストの英訳化」→前掲研究内容の2・4が関連
(5)「網羅的フィルム作品所在目録の作成と文化財としての可燃性フィルムの保存活用」→前掲研究内容の2・3が関連
(6)「映画関連資料を網羅した映像・映画史研究」