研究会

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      公募研究 「戦後日本映画における撮影所システムの変遷とその実態」主催公開研究会

      「ロマンポルノ研究の過去・現在・未来:《外》から見るか、《内》から見るか」

      ◆日時 2019年12月14日(土)13:30~15:30
      ◆会場 早稲田大学戸山キャンパス32号館325教室(定員約70名)
      アクセス:https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus
      ◆参加無料・事前予約不要

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      開催趣旨

      2021年に誕生50周年を迎える日活ロマンポルノ。製作当時の意図や対象を超え、さまざまな観客にアクセス可能な「古典」となったいま、映画研究はその作品群とどのように向き合うことができるでしょうか。
      男性観客を対象とする成人映画という特性上、ロマンポルノは従来、主に男性批評家によって論じられてきました。しかし、ジェンダーやセクシュアリティの問題に関心が集まる昨今、その作品群を元来のコンセプトの内側からだけでなく、外側から再考する必要性が高まっています。
      本公開研究会では、「ロマンポルノ研究の過去・現在・未来」というテーマを設定し、女性映画研究者とクィア映画研究者が、多角的な討議を行います。
      ※成人映画に関するイベントのため、18歳未満の方の入場はご遠慮ください。


      登壇者

      久保豊(早稲田大学演劇博物館助教)
      河野真理江(青山学院大学、立教大学他非常勤講師)
      鳩飼未緒(早稲田大学大学院博士後期課程)
      ファン・ギュンミン(明治学院大学非常勤講師)

      開催報告

      本共同研究の目的は、早稲田大学演劇博物館が所蔵する日活ロマンポルノのプレスシートの整理及び内容調査である。成人映画のプログラム・ピクチャーであるロマンポルノは、撮影所システムの最後の砦として、戦後の日本映画史上において極めて重要な役割を果たした。その時代を中心に、プログラム・ピクチャーの製作から興行までを手掛けた撮影所としての日活の歴史を多角的に調査している。今回の研究会は座談会の形式で開催し、研究分担者の河野・鳩飼・ファンの他、ゲストとして演劇博物館助手の久保豊氏を招き、計4名が登壇した。登壇者全員がロマンポルノを同時代の事象としては経験しておらず、ロマンポルノが製作された当時におけるターゲットには当てはまらない、いわば「外側」の観客である。河野・鳩飼・ファンの3名は、女性であり、研究者である立場からロマンポルノを論じることの意義や困難などについて意見を交換した。そしてゲストの久保氏は、クィア映画研究者の立場から、ロマンポルノのクィア的な受容の可能性やロマンポルノと同時代の男性同性愛者向け映画との関連などを論じた。2年間の共同研究の集大成として、プレスシートという資料活用の可能性だけでなく、いまだ研究が進んでいないロマンポルノを取り巻く現状を確認し、学術的アプローチの方法を多角的に探ることを試みた。


      主催:早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点 令和元年度 公募研究「戦後日本映画における撮影所システムの変遷とその実態」
      問い合わせ先:「戦後日本映画における撮影所システムの変遷とその実態」チーム(nrp.presssheet[@]gmail.com [@]を@にして送信してください)