平成30年度(2018) 早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点
機能強化支援事業

サイレント映画鑑賞会とシンポジウム

八千代座に甦る無声映画たち

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日時・会場

日時:2018年9月1日(土)11:00~18:30(開場 10:15)
会場:八千代座  【アクセス】
※入場無料・予約不要

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趣旨

明治末に芝居小屋として誕生した八千代座ではかつて、さまざまな芝居の上演とともに映画の上映も行われていました。大正~昭和期にはサイレント映画が上映され、たくさんの観客を楽しませていたようです。この催しでは、世界各国で活躍している弁士の片岡一郎さんや、日本のサイレント映画伴奏の第一人者である湯浅ジョウイチさんらを招き、早稲田大学演劇博物館の所蔵資料を交えた生演奏とともに、現代の八千代座にふたたびサイレント映画の傑作群を甦らせます。

さまざまな演劇・映像資料を収蔵する早稲田大学演劇博物館には、戦前の熊本県内の映画館の膨大なチラシ資料群「鶴田コレクション」や、サイレント期の東京の映画館で使用されていた伴奏譜資料群「ヒラノ・コレクション」といったサイレント期の映画資料が収められています。この催しでは、本拠点の機能強化支援事業としてデジタル化した「鶴田コレクション」に作品名のあるもののなかから、第1部では熊本出身の徳富蘆花の原作による『不如帰』、サイレント時代を代表する喜劇役者チャップリンの出世作『チャップリンの放浪者』、そして第3部では日本のサイレント映画の最高傑作のひとつ『忠次旅日記』を上映します。また、第2部では、こうした映画をとりまいていた九州での芝居や映画の歴史をめぐってシンポジウムを開催し、かつての演劇・映画の劇場風景を考えてみたいと思います。

第3部で上映される『忠次旅日記』では、早稲田大学演劇博物館所蔵の楽譜資料「ヒラノ・コレクション」から楽譜を選んで演奏します。この楽譜コレクションについては、これまで当拠点の共同研究チームが昨年度まで4年にわたり研究・調査を進め、毎年シンポジウムとともに、生演奏つき上映を試みてきました。この催しでは、2018年1月に行われた公開研究会で鮮烈な印象を残した『忠次旅日記』の生演奏付き上映をおこないます。

貴重な八千代座という場でおこなわれる映画上映会とシンポジウムを通して、かつての劇場風景に思いを馳せてみませんか。


プログラム

司会:山田高誌(熊本大学)

第1部 11:00-12:30
トーク&映画上映1「弁士で見るチャップリン!」

  • トーク「八千代座と映画の歴史」
  •    木村理郎(山鹿市文化協会会長)
  • 映画上映『不如帰』(25分)
  •    弁士:片岡一郎
       演奏:湯浅ジョウイチ(ギター)、古橋ゆき(ヴァイオリン)
  • トーク「徳富蘆花について」
  •    中村青史(熊本大学名誉教授)
  • 映画上映『チャップリンの放浪者』(26分)
  •    弁士:山内菜々子
       演奏:湯浅ジョウイチ(ギター)、古橋ゆき(ヴァイオリン)

第2部 13:30-15:00
シンポジウム「大正時代の映画と演劇の劇場風景」

  • サイレント時代の日本の映画音楽
  •    柴田康太郎(早稲田大学)
  • 映画興行における九州・熊本
  •    上田学(神戸学院大学)
  • 八千代座の源流~玉名・山鹿の芝居
  •    神田由築(お茶の水女子大学)
  • 『忠次旅日記』と新国劇と九州巡業
  •    児玉竜一(早稲田大学)

第3部 15:15-17:15
映画上映2「八千代座に甦る日本のサイレント映画の最高傑作!」 

『忠次旅日記』(111分) ※国立映画アーカイブ所蔵作品
   弁士:片岡一郎
   演奏:湯浅ジョウイチ(指揮者、三味線)、古橋ゆき(ヴァイオリン)、森みゆき(ピアノ)、今上千鶴、秋山奈菜(フルート)

第4部 17:30-18:30
ディスカッション(60分)


主催:熊本大学教育学部、早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点、一般財団法人山鹿市地域振興公社
後援:熊本大学、熊本県教育委員会、山鹿市教育委員会
協賛:千代の園酒造(株)
協力:KONJIKI PROJECT、亀寿し、熊本市電気館、湯宿湶、国立映画アーカイブ

問い合わせ:熊本大学 教育学部 音楽科 山﨑浩隆 yamasaki_[at]_educ.kumamoto-u.ac.jp
※_[at]_を@にして送信してください