平成29年度(2017) 成果報告3

歌舞伎・人形浄瑠璃関係雑誌のデジタルアーカイブの構築

本事業は、演劇博物館が有する国内最大規模の演劇雑誌資料のデジタル閲覧環境の整備を進めることで、国内外の演劇研究及び隣接する学術分野に広く益することを目指すものである。


演劇博物館は質的にも量的にも極めて豊かな演劇雑誌を所蔵している。本事業ではこうした貴重な演劇雑誌の資料保存と閲覧便宜の向上を併せて試み、資料のデジタル化とその館内公開を進めている。今年度は昨年度に続き、歌舞伎雑誌『新演藝』の1918~1925年分のデジタル公開用データを作成した。また、このデジタル化に併せて資料の劣化状況を点検して、一部資料については補修を行い、デジタルデータによる閲覧環境の充実化と、丁寧な資料保存を両立させた。さらに、これまでの本事業の雑誌・冊子資料のデジタル化作業資料のなかで培われた、資料を傷めずにデジタル化を進める工夫を踏まえ、昨年度選定した『演藝画報』や『オペラ』の資料の劣化状況を再調査し、来年度のデジタル公開作業を準備した。貴重な演劇資料のデジタル公開により演劇博物館所蔵資料の利活用の幅が広がり、演劇研究がさらに活性化することを期待したい。


『新演芸』撮影風景