調調殿
調調殿
人一とうにかたまり師直を討蜜事みつじの段々儕しつつらん有やうにいへばよしいはぬとたちまち世忰せがれが身の上コリヤ是を見よと抜刀おさなきのどに指付られはつとは思へど色もへんずハヽヽヽヽ女わらべせめる様に人しち取ての御詮義せんき天河屋の義平は男でござるぞ子にほだされ存ぜぬ事を存たとは得申さぬかつて何にも存ぜぬしらぬ知ぬといふからこんりんならくにくしと思はゞ其せがれ我見る前で殺した〱テモ胴性骨どしやうほねふといやつ管鑓くだやりてつほう鎖帷子くさりかたびら四十六本の印調とゝのへやつたる儕がしらぬといふていはしておかふか白状せぬと一寸だめし一きさみにきざむがなんとヲヽ面白おもしろきさまれう武具は勿論もちろん公家武家のかんむり烏帽子ゑほし下女小者が藁沓わらくつ買調かひとゝのへて売が商人あきんどそれふしぎ迚御詮義あらば日本に人たねは有まい一寸だめしも三寸縄も商売しやうばい故に取るゝ命おしいと思はぬサア殺せがれも目の前つけ〱〱一寸ためしうでから切か胸からさく肩骨かたぼね骨も望次第と指付突付我子をもぎ取子にほだされぬ性根しやうねを見よとしめ殺すへき其吃相きつさうヤレ聊尓れうじせまい義平殿暫し〱と長持より大星由良助よし金立出るてい見てびつく捕手とりての人々一時にじつてい縄打捨てはるかさがつて座をしむる威義ゐぎたゞして由良助義平に向ひ手をつかへ扨々驚入たる御心てい泥中ていちうはちすいさごの中のこがねとは貴公の御事さもあらんさもそふ

地色:コリヤ,ウ:コリヤ地色/ウ

ハル:抜ハル

ウ:おさなき

ウ:はつとは

色:変ぜず

詞:ハヽヽヽヽ

地:一寸,ハル:一寸地/ハル

ウ:肩骨

ウ:指付

中:もぎ取

ウ:子に

ウ:しめ殺すへき

色:其

詞:ヤレ

地色:大星,ウ:大星地色/ウ

ウ:立出る

ハル:見てハル

ウ:捕手の

ウ:じつてい

フシ:遥フシ

地色:威義を,ハル:威義を地色/ハル

ウ:義平に

中:手を

詞:扨

地色:泥中の,ハル:泥中の地色/ハル

ウ:砂の

中:御事