女房と⊗イヱしらずじやぞへ親夫の恥なれば明して何の云ませう⊗ムウすりや本心放埒者お主の怨を報る所存はないに極たな⊗イヱ〱これ兄様有ぞへ〱高うはいはれぬコレかう〱とさゝやけば⊗ムウすりや其文を慥に見たな⊗残らず読だ其跡で互に見合顔と顔それからじやらつき出してつゐ身請の相談⊗アノ其文残らず読だ跡で⊗アイナ⊗ムウそれで聞へた妹とても遁れぬ命身共にくれよと抜打にはつしと切は⊗ちやつと飛のきコレ兄さんわしには何誤り勘平といふ夫も有急度二親有からはこなさんの侭にも成まい請出されて親夫に逢ふと思ふがわしや楽しみどんな事でも誤らふ赦して下んせ赦してと手を合すれば⊗平右衛門抜身を捨てどうと伏ひたんの涙にくれけるが可愛や妹何にもしらぬな親与市兵衛殿は六月廿九日の夜人に切れてお果なされた⊗ヤアそれはまあ⊗コリヤまだ恟りすな請出され添ふと思ふ勘平も腹切て死だはやい⊗ヤア〱〱それはまあほんかいのコレのふ〱と取付てわつと斗に泣沈む⊗ヲヽ道理〱様子咄せばながい事おいたはしいは母者人云出しては泣思ひ出しては泣娘かるに聞したら泣死にするであろ必いふてくれなとのお頼いふまいと思へ共迚も遁れぬそちが命其訳は忠義一途
女房と⊗イヱしらずじやぞへ親夫トの恥なれば明して何の云ませう⊗ムウすりや本心放埒者お主の怨を報る所存ンはないに極ツたな⊗イヱ〱これ兄様ン有ぞへ〱高うはいはれぬコレかう〱とさゝやけば⊗ムウすりや其文を慥に見たな⊗残らず読だ其跡で互に見合顔と顔それからじやらつき出してつゐ身請の相談⊗アノ其文残らず読だ跡で⊗アイナ⊗ムウそれで聞へた妹とても遁れぬ命身共にくれよと抜打にはつしと切レは⊗ちやつと飛のきコレ兄さんわしには何誤り勘平といふ夫トも有リ急度二タ親有からはこなさんの侭にも成まい請出されて親夫トに逢ふと思ふがわしや楽しみどんな事でも誤らふ赦して下んせ赦してと手を合すれば⊗平右衛門抜キ身を捨てどうと伏ひたんの涙にくれけるが可愛や妹何ンにもしらぬな親与市兵衛殿は六月廿九日の夜人に切ラれてお果なされた⊗ヤアそれはまあ⊗コリヤまだ恟りすな請出され添ふと思ふ勘平も腹切ツて死ンだはやい⊗ヤア〱〱それはまあほんかいのコレのふ〱と取付イてわつと斗に泣沈む⊗ヲヽ道理〱様子咄せばながい事おいたはしいは母者人云出しては泣思ひ出しては泣娘かるに聞したら泣死にするであろ必いふてくれなとのお頼いふまいと思へ共迚も遁れぬそちが命其訳は忠義一チ途
地:コレ地
ハル:かうハル
詞:ムウ詞
地色:身共にく,ウ:身共にく地色/ウ
ハル:抜打にはつハル
詞:ちやつと詞
地:請出されて親,ハル:請出されて親地/ハル
ウ:逢ふと思ウ
ウ:どんなウ
上:赦して上
ウ:手をウ
キン:合すればキン
ウ:平右衛門ウ
上:抜身を捨上
フシ:どうと,中:どうとフシ/中
ノル:ひたんノル
ハル:涙にハル
詞:可愛や詞
地色:ヤア,ハル:ヤア地色/ハル
上:それは上
ウ:ほんかいのウ
ウ:のふウ
ウ:取付てわつウ
スヱテ:わつと斗に泣沈スヱテ
中:泣沈む⊗中
詞:ヲヽ詞