なふよう風に吹かれてじやのイヤかるちと咄したい事が有屋根越の天の川で爰からはいはれぬちよつとおりてたもらぬか⊗咄したいとは頼たい事かへ⊗まあそんな物⊗廻つてきやんしよ⊗いや〱段梯子へおりたらば中居が見付て酒にせうアヽどふせうなアヽコレ〱幸爰に九つ梯子是をふまへておりてたもと小やねにかければ⊗此梯子は勝手が違ふてヲヽこはどふやら是はあぶない物⊗大事ない〱あぶないこはいは昔の事三間づゝまたげても赤かうやくもいらぬ年ばゐ⊗あほういはんすな船にのつた様でこはいわいな⊗道理で船玉様が見へる⊗ヲヽのぞかんすないな⊗洞庭の秋の月様をおがみ奉るじや⊗イヤモウそんなら下りやせぬぞ⊗おりざおろしてやろ⊗アレ又悪い事を⊗やかましい生娘かなんぞのやうに逆縁ながらと後ゟじつと抱しめ抱おろしなんとそもじは御らふじたか⊗アイいゝへ⊗見たであろ〱⊗アイなんじややら面白そふな文⊗あの上から皆読だか⊗ヲヽくど⊗ア身の上の大事とこそはなりにけり⊗何の事じやぞいな⊗何の事とはおかる古いがほれた女房に成てたもらぬか⊗おかんせうそじや⊗サうそから出た真でなければ根かとげぬおふといや〱⊗イヤいふまい⊗なぜ⊗おまへのはうそから出た真しやない真から出た嘘じや
なふよう風に吹かれてじやのイヤかるちと咄したい事が有ル屋根越の天の川で爰からはいはれぬちよつとおりてたもらぬか⊗咄したいとは頼たい事かへ⊗まあそんな物⊗廻つてきやんしよ⊗いや〱段梯子へおりたらば中居が見付ケて酒にせうアヽどふせうなアヽコレ〱幸爰に九つ梯子是をふまへておりてたもと小やねにかければ⊗此梯子は勝ツ手が違ふてヲヽこはどふやら是はあぶない物⊗大事ない〱あぶないこはいは昔の事三間ンづゝまたげても赤かうやくもいらぬ年シばゐ⊗あほういはんすな船にのつた様でこはいわいな⊗道理で船玉様が見へる⊗ヲヽのぞかんすないな⊗洞庭の秋の月様をおがみ奉るじや⊗イヤモウそんなら下りやせぬぞ⊗おりざおろしてやろ⊗アレ又悪ルい事を⊗やかましい生娘かなんぞのやうに逆縁ながらと後ゟじつと抱しめ抱おろしなんとそもじは御らふじたか⊗アイいゝへ⊗見たであろ〱⊗アイなんじややら面白そふな文⊗あの上から皆読だか⊗ヲヽくど⊗ア身の上の大事とこそはなりにけり⊗何ンの事じやぞいな⊗何の事とはおかる古ルいがほれた女房に成ツてたもらぬか⊗おかんせうそじや⊗サうそから出た真でなければ根かとげぬおふといや〱⊗イヤいふまい⊗なぜ⊗おまへのはうそから出た真しやない真から出た嘘じや
地:是をふ,ハル:是をふ地/ハル
フシ:小やねにフシ
詞:此梯詞
地:逆縁ながらと,ハル:逆縁ながらと地/ハル
ノル:じつと,中:じつとノル/中
フシ:抱おフシ
詞:なんとそ詞