は死しやつたか扨も〱世の中におれが様な因果な者が又と一人有ふか親父殿は死しやる頼に思ふむこを先立いとしかはいの娘には生別れ年寄た此母が一人残つて是がマア何と生て居れうそコレ親父殿与市兵衛殿おれも一所に連ていて下されと取付ては泣さけび又立上つてコレ婿殿母も倶にと縋付ては伏沈あちらでは泣こちらては泣わつと斗にどふど伏声をはかりに歎しは目も当られぬ次第也郷右衛門つつ立上りヤアこれ〱老母歎るゝは理なれ共勘平が最期の様子大星殿に委語入用金手渡しせば満足あらん首にかけたる此金は婿と舅の七々日四十九日や五十両合て百両百ケ日の追善供養跡念比に吊はれよさらば〱おさらばと見送る涙見返る涙涙の浪の立帰る人もはかなき第七花に遊ばゞ祗園あたりの色揃へ東方南方北方西方みたの浄土かぬりに塗立ぴつかりひか〱光りかゝやくはくや藝子にいかなすいめも現ぬかしてぐどんどろつくどろつくやワイワイノワイトサ⊗誰そ頼ふ亭主は居ぬか亭主〱⊗是はいそがしいはどいつ様じやどなた様じやヱ斧九太様御案内とはけうとい〱⊗イヤ初てのお方を同道申たきつう取込そふに見へるが一つ上ます座敷が有か⊗ござります共今晩は彼由良大盡の御趣向で名有色達を掴込下座敷はふさがつてござりますれど亭座
は死しやつたか扨も〱世の中におれが様な因果な者が又と一人リ有ふか親父殿は死しやる頼に思ふむこを先キ立テいとしかはいの娘には生キ別れ年寄ツた此母が一人残つて是がマア何ンと生キて居れうそコレ親父殿与市兵衛殿おれも一所に連レていて下されと取付イては泣さけび又立上つてコレ婿殿母も倶にと縋付イては伏沈あちらでは泣こちらては泣わつと斗にどふど伏声をはかりに歎キしは目も当テられぬ次第也郷右衛門つつ立上りヤアこれ〱老母歎るゝは理なれ共勘平が最期の様子大星殿に委語リ入用金手渡しせば満足あらん首にかけたる此金は婿と舅の七百ケ日の追善供養跡念ン比に吊はれよさらば〱おさらばと見送クる涙見返る涙涙の浪の立帰る人もはかなき第七花に遊ばゞ祗園あたりの色揃へ東方南方北方西方みたの浄土かぬりに塗立チぴつかりひか〱光りかゝやくはくや藝子にいかなすいめも現ぬかしてぐどんどろつくどろつくやワイワイノワイトサ⊗誰そ頼ふ亭主は居ぬか亭主〱⊗是はいそがしいはどいつ様じやどなた様じやヱ斧九太様御案内とはけうとい〱⊗イヤ初メてのお方を同道申たきつう取リ込そふに見へるが一トつ上ます座敷が有か⊗ござります共今晩は彼由良大盡の御趣向で名有ル色達チを掴込下座敷はふさがつてござりますれど亭座
地:扨も〱,ハル:扨も〱地/ハル
ウ:〱世のウ
ウ:おれがウ
上:因果な上
ウ:親父殿はウ
ウ:いとしウ
色:年色
ウ:一人ウ
ウ:何と生ウ
詞:コレ詞
地:おれも,ハル:おれも地/ハル
ウ:取付ては泣さウ
ウ:立上つてコレウ
色:コレ色
上:母も上
ウ:縋付ては伏沈ウ
ウ:あちらではウ
ウ:わつと斗にどふウ
ウ:どふどウ
ウ:声をウ
フシ:歎しは目,中:歎しは目フシ/中
ノル:目もノル
ハル:次第也郷ハル
地:郷右衛門,ハル:郷右衛門地/ハル
色:つつ立上りヤア色
詞:ヤア詞
地:首に,ウ:首に地/ウ
ハル:此金ハル
ウ:婿とウ
中:七々日中
ウ:四十九日やウ
ハル:五十両ハル
ウ:合て百ウ
ウ:百両百ケウ
色:さらば色
ハル:おさらばとハル
中:涙中
入:浪の入
ウ:立帰る人ウ
上:はかなき,三重:はかなき上/三重
歌:花に,ハル:花に歌/ハル
中:東方,ウ:東方中/ウ
ハル:みたのハル
中:塗立ぴ中
ハル:光りハル
下:ぐどん下
ウ:どんどろウ
ウ:どろつくやウ
ナヲス:ワイノワナヲス
詞:誰そ詞