〱遠い所をソレ娘たばこ盆お茶上ましやと親子して槌でおいへを〓人やの亭主扨夕部は是の親仁殿もいかゐ大義別条なう戻られましたかヱヽ扨は親仁殿と連立て来はなされませぬか是はしたりお前へいてから今においてヤア戻られぬかハテめんよふなハアヽ若稲荷前をぶら付て彼玉殿につまゝりやせぬかの此中爰へ見に来て極めた通お娘の年も丸五年切給銀は金百両さらりと手を打た是の親仁がいはるゝには今夜中に渡さねばならぬ金あれば今晩證文を認め百両の金子お借なされて下されと涙をこぼしての頼故證文の上で半金渡し残りは奉公人と引かへの契約何が其五十両渡すと悦んで戴ほた〱いふて戻られたはもふ四つでも有ふかい夜道を一人金持ていらぬ物と留ても聞ず戻られたが但は道にイヱ〱寄しやる所はなふかゝ様ない共〱殊に一時も早うそなたやわしに金見せて悦ばさふ迚いきせきと戻らしやる筈じやに合点がいかぬイヤこれ合点のいくいかぬはそつちの穿鑿こちはさがりの金渡して奉公人連ていのと懐より金取出し跡金の五十両是で都合百両サア渡す請とらしやれお前それでも親仁殿の戻られぬ中はなふかるわがみはやられぬハテぐず〱と埒の明ぬコレぐつ共すつ共いはれぬ与市兵衛の印形證文が物いふ
〱遠い所をソレ娘たばこ盆お茶上ましやと親子して槌でおいへを〓人ンやの亭主扨夕部は是の親仁殿もいかゐ大義別条なう戻られましたかヱヽ扨は親仁殿と連レ立ツて来はなされませぬか是はしたりお前へいてから今においてヤア戻られぬかハテめんよふなハアヽ若稲荷前をぶら付イて彼玉殿につまゝりやせぬかの此中爰へ見に来て極めた通お娘の年ンも丸五年切給銀は金百両さらりと手を打た是の親仁がいはるゝには今夜中に渡さねばならぬ金あれば今晩證文を認め百両の金子お借なされて下されと涙をこぼしての頼故證文の上で半金渡し残りは奉公人と引かへの契約何が其五十両渡すと悦んで戴ほた〱いふて戻られたはもふ四つでも有ふかい夜道を一人リ金持ツていらぬ物と留メても聞ず戻られたが但シは道にイヱ〱寄しやる所はなふかゝ様ない共〱殊に一ツ時も早うそなたやわしに金見せて悦ばさふ迚いきせきと戻らしやる筈じやに合点がいかぬイヤこれ合点のいくいかぬはそつちの穿鑿こちはさがりの金渡して奉公人連レていのと懐より金取出し跡金の五十両是で都合百両サア渡す請ケとらしやれお前それでも親仁殿の戻られぬ中チはなふかるわがみはやられぬハテぐず〱と埒の明ぬコレぐつ共すつ共いはれぬ与市兵衛の印ン形證文が物いふ
地:お茶,ハル:お茶地/ハル
色:亭主色
詞:扨詞
地色:懐より,ハル:懐より地色/ハル
ウ:是で都ウ
色:百両色
詞:サア詞