の悪言は本性よなくどい〱又本性なりやどふするヲヽかうすると抜討に真向へ切付る眉間の大疵是はと沈む身のかはし烏帽子の頭二つに切又切かゝるを抜つくゞりつ逃廻る折もあれお次に扣へし本蔵走出て押とゞめコレ判官様御短慮と抱とむる其隙に師直は館をさしてこけつまろびつ逃行ばおのれ師直真二つはなせ本蔵放しやれとせり合内館も俄に騒出し家中の諸武士大名小名押へて刀もぎ取やら師直を介抱やら上を下へと立さはぐ表御門裏御門両方打たる館の騒動挑燈ひらめく大さはぎ早の勘平うろ〱眼走帰つて裏御門砕よ破よと打たゝき大声上塩冶判官の御内早の勘平主人の安否心元なし爰明てたべ早く〱と呼はつたり門内よりも声高々御用あらば表へ廻れ爰は裏門成程裏門合点表御門は家中の大勢早馬にて寄付れず喧𠵅の様子は何と〱喧𠵅の次第相済だ出頭の師直様へ慮外致せし科によつて塩冶判官は閉門仰付られ網乗物にてたつた今帰られしと聞よりハアなむ三宝お屋敷へと走かゝつてイヤ〱〱閉門ならば館へは猶帰られしと行つ戻りつ思案最中妼おかる道にてはぐれヤア勘平殿様子は残らず聞ましたこりや何とせうどふせうと取付歎くを取て突退ヱヽめろ〱とほへ頬コリヤ勘平が武士は捨つたはやいもふ是迄と刀の柄コレ待て下されこりやうろたへてか勘平殿
の悪言は本性よなくどい〱又本性なりやどふするヲヽかうすると抜討に真向へ切付クる眉間の大疵是はと沈む身のかはし烏帽子の頭二つに切レ又切リかゝるを抜つくゞりつ逃ゲ廻る折もあれお次に扣へし本蔵走リ出て押シとゞめコレ判官様御短慮と抱とむる其隙に師直は館をさしてこけつまろびつ逃ケ行ばおのれ師直真ツ二つはなせ本蔵放しやれとせり合内館も俄に騒出し家中の諸武士大名小名押サへて刀もぎ取ルやら師直を介抱やら上を下タへと立さはぐ表テ御門ン裏御門ン両方打たる館の騒動挑燈ひらめく大さはぎ早の勘平うろ〱眼走リ帰つて裏御門砕よ破よと打たゝき大声上ケ塩冶判官の御内早の勘平主人の安否心元トなし爰明ケてたべ早く〱と呼はつたり門内よりも声高々御用あらば表テへ廻れ爰は裏門ン成ル程裏門合点表テ御門ンは家中の大勢早馬にて寄リ付カれず喧𠵅の様子は何ンと〱喧𠵅の次第相済だ出頭の師直様へ慮外致せし科によつて塩冶判官は閉門仰付ケられ網乗物にてたつた今帰られしと聞よりハアなむ三宝お屋敷へと走リかゝつてイヤ〱〱閉門ならば館へは猶帰られしと行つ戻りつ思案最中妼おかる道にてはぐれヤア勘平殿様子は残らず聞ましたこりや何ンとせうどふせうと取付キ歎くを取て突退ヱヽめろ〱とほへ頬コリヤ勘平が武士は捨つたはやいもふ是迄と刀の柄コレ待ツて下されこりやうろたへてか勘平殿
地:ヲヽ,ハル:ヲヽ地/ハル
色:大疵色
ウ:是はとウ
ウ:烏帽子のウ
ウ:切かゝるをウ
ハル:くゞりつハル
ウ:逃廻るウ
ウ:お次にウ
色:押とゞめ色
詞:コレ詞
地:抱とむる,ハル:抱とむる地/ハル
色:逃色
ウ:おのれウ
ハル:真二つハル
ウ:はなせウ
ウ:せり合ウ
ウ:館もウ
中:騒中
ウ:家中のウ
ウ:押へてウ
ウ:師直をウ
ハル:上をハル
三重:立さはぐ,上:立さはぐ三重/上
地:表,ハル:表地/ハル
ウ:両方ウ
色:大さはぎ色
ウ:早のウ
ハル:帰つてハル
色:大声色
詞:塩冶,ノリ:塩冶詞/ノリ
地:早く,ハル:早く地/ハル
フシ:呼はつたりフシ
地:門内よりも,ハル:門内よりも地/ハル
詞:御用詞
地:帰られし,ウ:帰られし地/ウ
地:聞より,ウ:聞より地/ウ
色:ハア色
ハル:お屋敷へとハル
色:走かゝつて色
ウ:イヤウ
ウ:閉門ならばウ
ハル:行つ戻ハル
色:最中色
ウ:妼ウ
色:ヤア色
詞:様子は詞
地色:こりや,ハル:こりや地色/ハル
スヱ:取付スヱ
中:歎くを中
ハル:取て突ハル
色:突退色
詞:ヱヽ詞
地色:もふ,ハル:もふ地色/ハル
色:下され色
詞:こりや詞