姿
なさるゝぞととがめられて氣転きてんの笑ひホヽヽヽヽヲヽあの人の氣疎けうとい顔久しぶりの静が舞見よふと御遊ばす故八嶋の軍物語を舞の稽古けいこと鼓を早めかくて源平入みだれ船は陸路くがぢへ陸はいそ漕寄こぎよせ打出打ならす鼓に又も聞入て余念よねんたはひもなき所を忠信やらぬと又切かくる太刀筋かはしてかいくゞるを付柄元つかもとしつかと取とが有てだまし打に切るゝ覚かつつてなしと刀たぐつて投捨ればにせ忠信のサア白状仰をうけ静が詮義せんぎ云ずばかうして云すると鼓追取はた〱〱女のかよはき腕先うでさきに打立られてハアはつとあやまり入たる忠信に鼓打付サア白状サア〱〱さあと詰寄つめよせられ一たう詞なく只ひれ伏て居たりしがやう〱かしらをもたげ初音の鼓手に取上さもうや〱敷いたゞき〱静の前になをし置しつ〱立て廣庭ひろにはへおりる姿もしほ〱とみすぼらしげに手をつかへけふが日迄かくしおゝせ人に知せぬ身の上なれ共今日国より帰つたる誠の忠信に御不しんかゝり難義なんぎと成よんどころなく身の上を申上る始は夫音の鼓桓武くはんむ天皇の御宇内裏だいり雨乞あまごひ有し時此大和国に千年功経こうふる牝狐めぎつね狐二疋の狐をかり出し其狐の生かはを以こしらへたる其鼓雨の神をいさめの神楽かぐら日にむかふて是を打ば鼓元来もとより波のおと狐はゐんけだもの故水をおこしてふる雨にたみ百性は悦びの声を初

地色:咎られて,ハル:咎られて地色/ハル

詞:ホヽヽヽヽ

地色:八嶋の,中:八嶋の地色/中

ハル:舞のハル

中:鼓を

舞:かくて,セメ:かくて舞/セメ

地色:鼓に,ウ:鼓に,ナヲス:鼓に地色/ウ/ナヲス

色:なき

詞:忠信

地色:刀,ウ:刀地色/ウ

ウ:贋

ウ:仰を

ウ:云ずば

ウ:女の

ウ:はつ

ウ:誤り

色:サア

ハル:サアハル

ウ:一句

フシ:只フシ

地色:漸に,中:漸に地色/中

ハル:手にハル

スヱ:さも,ウ:さもスヱ/ウ

中:うや〱敷押

ウキン:押戴ウキン

ウ:静の

ウ:直し

ハルフシ:しつ〱立ハルフシ

中:廣庭へ

ウ:姿も

ウ:みすぼらしげに

フシ:手をフシ

地色:けふが,中:けふが地色/中

ハル:身のハル

ウ:今日

ウ:誠の

ウ:難義と

ウ:身の上を

ウ:夫

中:鼓