便寿姿
なれば子ゆへに身をこがす我は恋路こひぢまよふ身のアヽうらやましねたましやはつ雁金かりがね女夫連めうとづれつま持顔のはねばかま人よりましの真柴ましばさす宇賀うが御魂みたま御社みやしろはいととうとくもかう〱とかすみ中にみかのはらわきてかたみつゞみのかはい〱〱のむつごとを人にはつゝむふくさ物それを便たよりにつくつえも心ほそ野を打過て見渡せば四方よものこずへもほころびて梅がうたふ哥姫の里の男が声々に我つまが天井てんじやうぬけてすへるぜんひるの枕はつがもなや天井ぬけてすへるぜんひるの枕はつがもなやヲヽつがもなやおかしからすの一ふしに人もわらやのそだちにも春ははねつく手まりひいふうつく〲と聞ばこち風そへ去年こぞこほりをとくわかに御万歳まんざいと君もさかへまします有けう有や頼もしやさぞな大和の人ならば御かくをいざとはん我初音はつねの此つゞみ君のさかへを寿ことぶきむかしを今になすよしもがな谷うぐひすナ初音の鼓〱しらべあやなすおとにつれてつれてまねくさおくればせなる忠信が旅姿たびすがたせな風呂敷ふろしきをしかとせた

ウ:我,ノル:我ウ/ノル

ハル:恋路にハル

ウ:迷ふ

中:アヽ,キン:アヽ,ウ:アヽ中/キン/ウ

フシ:ねたましやフシ

中:はつ雁金の,クヽキ:はつ雁金の中/クヽキ

ハル:つまハル

中:羽

フシ:人よりフシ

中:宇賀の

ウ:御魂の

上:いと

ウ:とうとくも

中:霞の,キン:霞の中/キン

ウ:中に

ウ:わきて

ハル:〱のハル

本フシ:それを本フシ

ハル:つくハル

小ヲクリ:心小ヲクリ

ウ:ほそ野を

ハル:見渡せばハル

ウ:こずへも

中:ほころびて

ウ:梅が枝

ウ:里の

歌:我,三下り:我,ウ:我歌/三下り/ウ

合:つまが

ウ:天井

ウキン:昼のウキン

下:つがもなや,ウ:つがもなや,合:つがもなや下/ウ/合

ウ:天井

ウキン:ひるのウキン

下:つがもなや,ウ:つがもなや,合:つがもなや下/ウ/合

ナヲス:ヲヽ,フシ:ヲヽナヲス/フシ

ハルフシ:おかしハルフシ

色:一ふしに

中:人も

ウ:春は

ウ:手まり

キン:ふうキン

ヲス:聞ばヲス

ウ:こち風

ウ:去年の

万才:とくわかに,ウ:とくわかに万才/ウ

ウ:君も

合:まします

ウ:有けう

ナヲス:さぞ,ハル:さぞナヲス/ハル

フシ:御隠フシ

ハルフシ:我もハルフシ

中:此

ウ:君の

ウ:昔を

トル:なすトル

三下り:谷の,ハル:谷の,歌:谷の三下り/ハル/歌

中:初音の,キン:初音の中/キン

ウ:〱

ハル:しらべハル

中:つれて

ウ:つれて

合:まねくさ

キン:おくればせなるキン

ハル:旅姿,合:旅姿ハル/合

ウ:背に

ウ:しかと