に包でやりたいがと限りない程あまい親うまいわろじやといがみの権鮓の明桶よい入物是へ〱と親子して銀を漬たるこがね鮓蓋しめ栓しめサアよいは是で目立ぬ提ていねと親子がぐあいの最中へ苦い爺親弥左衛門是も疵持足の裏あたふたとして門口を戻つた明いと打たゝくなむ三親父と内には転倒うろたへ廻り其桶を爰へ〱と明桶と俱にならべて親子はひそ〱奥と口とへ引別れ息を詰てぞ入にけるなぜ明ぬ〱と頻にたゝけば奥より弥助走出て戸を明る内入悪く傍を見廻しコリヤ又といつも寝ておるか云付た鮓共は仕込で有かと鮓桶を提たり明たりぐはつた〱コリヤ思ふ程仕事ができぬ女房共やお里めは何しておるぞイヤ只今奥へ呼ましよと行弥助をは引とゞめ内外見廻し表をしめ上座へ直し手をつかへ君の親御小松の内府重盛公の御恩を受たる某何とぞ御子惟盛卿の御行衛をと思ふ折から熊野浦にて出合御月代をすゝめ此家へお供申たれ共人目を憚り下部の奉公余りと申せば勿躰なさ女房計に子細を語り今宵祝言と申も心は娘を御宮仕へ弥助〱と賤しき我名をお譲り申たも弥助くるといふ文字の縁義人はしらじと存ぜしに今日鎌倉より梶原平蔵景時
に包でやりたいがと限りない程あまい親うまいわろじやといがみの権鮓の明キ桶よい入レ物是へ〱と親子して銀を漬たるこがね鮓蓋しめ栓しめサアよいは是で目立ぬ提ていねと親子がぐあいの最中へ苦い爺親弥左衛門是も疵持ツ足の裏あたふたとして門口を戻つた明ケいと打たゝくなむ三親父と内には転倒うろたへ廻り其桶を爰へ〱と明キ桶と俱にならべて親子はひそ〱奥と口とへ引別れ息を詰てぞ入にけるなぜ明ケぬ〱と頻にたゝけば奥より弥助走り出て戸を明る内入悪く傍を見廻しコリヤ又といつも寝ておるか云付ケた鮓共は仕込ンで有ルかと鮓桶を提たり明ケたりぐはつた〱コリヤ思ふ程仕事ができぬ女房共やお里めは何しておるぞイヤ只今奥へ呼ましよと行弥助をは引とゞめ内外見廻し表をしめ上座へ直し手をつかへ君の親御小松の内府重盛公の御恩を受ケたる某何とぞ御ン子惟盛卿の御行衛をと思ふ折から熊野浦にて出合御月代をすゝめ此家へお供申シたれ共人目を憚り下モ部の奉公余りと申せば勿躰なさ女房計に子細を語り今宵祝言と申スも心は娘を御宮仕へ弥助〱と賤しき我名をお譲り申シたも弥助くるといふ文字の縁義人はしらじと存ぜしに今日鎌倉より梶原平蔵景時
ウ:限りないウ
色:あまい色
ウ:うまいウ
ハル:よいハル
ウ:是へウ
中:親子して中
ウ:銀をウ
ハル:こがね鮓ハル
ウ:蓋ウ
ウ:栓ウ
色:サア色
ウ:是でウ
ウ:ぐあいのウ
色:最中へ色
中:苦い,ウ:苦い中/ウ
ハル:あたふたとハル
ウ:戻つたウ
中:打たゝく中
ウ:なむ三ウ
ウ:内にはウ
ハル:爰へハル
中:ひそ,キン:ひそ中/キン
ウ:奥とウ
下:息を下
フシ:入にけるフシ
色:なぜ色
ウ:頻にウ
ハツミ:弥助ハツミ
フシ:走出フシ
地:内入,ハル:内入地/ハル
色:見廻し色
詞:コリヤ詞
地:仕込で有,ウ:仕込で有地/ウ
ハル:ぐはつたハル
詞:コリヤ詞
地:呼ましよ,ハル:呼ましよ地/ハル
色:引とゞめ色
ウ:内外ウ
ウ:上座へウ
中:直し中
フシ:手をフシ
詞:君の詞