平成28年度研究課題リスト

公募研究課題
[課題名/代表者名(所属職位)/組織(研究分担者(所属):研究分担・専門領域)/課題概要]

  1. 楽譜資料の調査を中心とした無声期の映画館と音楽の研究

    代表者:
    長木誠司(東京大学文学院総合文化研究科教授):研究統括
    研究分担者:
    紙屋牧子(東京国立近代美術館フィルムセンター客員研究員):映画館興行関連資料の調査責任者
    柴田康太郎(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程):映画館週報調査責任者、楽譜調査
    山上揚平(東京藝術大学音楽学部非常勤講師):成果公開に関する助言

    課題概要:
    大正から昭和初期の無声映画の上映に伴う音楽演奏のあり方を、楽譜資料と映画館興行に関する文献資料の分析を通じて明らかにすることが本研究の目的である。本年度は演劇博物館所蔵の無声映画伴奏譜「ヒラノ・コレクション」のデータベースを改訂し、音楽面の特徴や、使用五線紙・楽譜の流通形態などを分析する。さらに、他館所蔵の楽譜資料との比較を行い、雑誌記事・映画館週報などを検討することで映像との組み合わせを再構成する。上映や音源作成による成果公開を目指す。


  2. 演劇博物館所蔵の映画館資料に関する複合的カタロギング 

    代表者:
    上田学(東京工芸大学芸術学部非常勤講師):研究統括
    研究分担者:
    仁井田千絵(早稲田大学演劇博物館招聘研究員):映画館興行資料の調査分析
    スザンネ・シェアマン(明治大学法学部教授):映画館興行資料の調査分析
    ローランド・ドメーニグ(明治学院大学文学部准教授):映画館興行資料の調査分析

    課題概要:
    本研究の目的は、演劇博物館が所蔵する映画館興行関連資料のなかから、大正期から昭和初期にかけての資料に焦点を絞り、当該期の日本映画史における興行の機能を明らかにすることにある。具体的に本研究は、演劇博物館所蔵の複数の一次資料を研究対象とし、その興行内容に踏み込んだ複合的なカタロギングを進める。またwebデータベースの公開準備が進んでいる映画館プログラムについて、本研究のカタロギングにもとづく関係データベースを構築する。


  3. 淡島千景資料の多角的研究 ― 宝塚・映画・五輪・野球 

    代表者:
    羽鳥隆英(新潟大学人文学部助教):研究統括
    研究分担者:
    石坂安希(早稲田大学演劇博物館招聘研究員):宝塚研究
    河野真理江(立教大学現代心理学部兼任講師):映画研究
    山梨牧子(トリア大学第二学部日本学科非常勤講師):宝塚研究

    課題概要:
    本研究の目的は早稲田大学坪内博士記念演劇博物館に寄贈された女優淡島千景(1924年‐2012年)の遺品約3,000点のデータベース化と本格的な分析への着手である。具体的には①淡島の芸歴の起点である宝塚歌劇、②淡島が1950年代・60年代の黄金期に際会した日本映画、③淡島と所縁の深い東京五輪・プロ野球の各視点から淡島資料への接近を試みる。演劇史・映画史・スポーツ文化史などを結節した学際 的研究の確立を目指す。



  4. 視覚文化史における幻燈の位置――明治・大正期における幻燈スライドと諸視覚文化のインターメディアルな影響関係にかんする研究 

    代表者:
    大久保遼(愛知大学文学部人文社会学科特任助教):研究統括・映画・文学と幻燈
    研究分担者:
    草原真知子(早稲田大学文学学術院教授):パノラマと幻燈
    向後恵里子(明星大学人文学部准教授):錦絵・絵葉書と幻燈
    遠藤みゆき(東京都写真美術館学芸員):写真・版画と幻燈

    課題概要:

    演劇博物館には、世界的に見てもきわめて貴重な映画前史の映像文化に関する資料が数多く収蔵されている。本共同研究チームは、2015年度までに館蔵の幻燈スライドのコレクションの体系的な整理を行い、その成果を展示や図録、データベースなどによって公開してきた。2016年度はこうした成果を踏まえ、館蔵の幻燈資料を館外のスライドや関連資料と突き合わせることで、明治・大正期の幻燈文化の広がりと、同時代の視覚文化とのインターメディアルな影響関係を明らかにする。



    >>平成28年度研究課題リスト