テーマ研究4「演劇博物館所蔵映画フィルムの調査、目録整備と保存活用」
研究代表者 入江良郎(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
研究分担者 児玉竜一(早稲田大学文学部教授)
上田学(早稲田大学演劇博物館客員次席研究員)
栩木章(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
板倉史明(神戸大学大学院国際文化学研究科准教授)
碓井みちこ(関東学院大学文学部専任講師)
金子健(文化庁文化財部伝統文化課芸能部門文部科学技官)
○研究成果概要(平成25年度)
演劇博物館が所蔵する全映画フィルム・コレクションの目録整備と活用の推進を目標とする本研究では、最終年度の作業として、下記を実施した。
35mmフィルムについては、ドイツ映画2本、日本映画1本のデジタル・メディア作成を行うとともに、上記のドイツ映画2本については新たに日本語字幕を作成した。また、可燃性フィルム36本の作品内容の調査を終えた。可燃性フィルムは玩具映画が多数を占めているため、大阪芸術大学「玩具映画プロジェクト」が所蔵するコレクションとの比較も行った。
8mmフィルムについては、中村歌右衛門旧蔵品69点、市川右太衛門旧蔵品47点、森繁久彌旧蔵品23点 本田安次旧蔵品11点で作品情報の採集を終えた。また、16mmフィルムについても森繁久彌旧蔵品24点、本田安次旧蔵品4点で作品情報の採集を終えた。9.5mmフィルムについては1本の調査と状態確認を行った。
なお、本研究が5年間で調査を行ったフィルムの総本数は下記の通りである(平成24年3月までの収蔵品を対象とし、その後新たに演劇博物館が収集したフィルム、ならびに本研究が調査の期間内に所蔵フィルムから新たに作成したニュー・プリントは含まない。また、一つの作品が複数本のフィルム(巻)から成る場合ケースも多く含まれるため、数え方の変更に伴い、コレクション全体の数量にも修正が生じている)。
35mmフィルム・・・64本(うち46本はナイトレート・フィルム)
16mmフィルム・・・585本
8mmフィルム・・・260本
9.5mmフィルム・・・5本
計914本
5年間の成果発表としては、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催されたユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベント「伝説の映画コレクション 早稲田大学演劇博物館所蔵フィルム特別上映会」に本研究が作成したニュー・プリントなどを提供するとともに、会期初日には研究講演会「早稲田大学演劇博物館の映画コレクション」を開催した。また、同研究講演会の記録と、演劇博物館所蔵映画フィルム目録を収録した記念誌を刊行した。