テーマ研究「演劇研究基盤整備:舞台芸術文献の翻訳と公開」
第6回 1938年問題研究会 「ナチス演劇をどうとらえ、 それとどう闘うのか?――1938年前後における ソ連亡命ドイツ演劇家たちの理論的作業にふれて」

演劇映像学連携研究拠点テーマ研究「演劇研究基盤整備:舞台芸術文献の翻訳と公開」(研究代表者:秋葉裕一)が主催する公開研究会を以下の通り開催いたします。皆様のご来聴を歓迎いたします。 

◆日時 : 2012年12月1日(土) 14時00分~17時30分(開場は30分前より)
◆会場 : 早稲田大学早稲田キャンパス 6号館318教室(演劇博物館レクチャールーム)
◆入場無料・予約不要

◆講師:池田浩士(ドイツ文学者、評論家)

◆概要
1937年から38年にかけて展開された「表現主義論争」が、「形式主義」批判、前衛芸術批判と密接に関わっていたことは、よく知られている。この論争のもう一つの問題点は、反ファシズム闘争における社会主義的文学・芸術の課題を明確にすることだった。だが、表現主義から出発しながらファシズム(厳密にはナチズム)への道をたどった作家・詩人を糾弾することはなされたが、現にドイツを支配しているナチズム体制における文学・芸術の実態を具体的に批判し、それと闘うべき反ファシズム作家・芸術家の課題を提起するところまでは行かぬまま、論争は閉じられた。現在の(あるいは1968年以後の)視線で見るとき、同時代のナチス文学・芸術を反ナチズム陣営の作家・芸術家たちがどう評価し、それとの文化闘争を(社会主義リアリズムという「指導理念」のもとで)どう構想していたのかは、看過できない重要なテーマである。こうした観点から、1930年代にソ連に亡命していたドイツの演劇家たちが「表現主義論争」の前後に、あるいは論争の枠外で試みたナチス・ドイツの演劇との理論的対決に焦点を当てながら、マルクス主義的社会主義演劇とナチズム演劇とのいわば歴史的な闘いに目を向けてみたい。

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◆お問い合わせ先
演劇映像学連携研究拠点事務局
Tel: 03-5286-8515 Fax: 03-5286-8516
Mail kyodo-enpaku_atmark_list.waseda.jp
(_atmark_は@にかえて送信してください)