公募研究「佐野碩と世界演劇」第一回研究会
演劇映像学連携研究拠点公募研究「佐野碩と世界演劇」(研究代表者:上田洋子)が主催する公開研究会が、下記の通り開催されます。みなさまのご参加、ご来聴を歓迎いたします。
◆「演劇人佐野碩を再考する」
◆日時 : 8月4日(土) 13:30~18:40
◆会場 : 早稲田大学早稲田キャンパス 6号館3階318教室(レクチャールーム)
◆概要
司会 鴻英良氏 (演劇批評家)
13:30~15:00 「日本演劇の立場から見る佐野碩の活動」
菅孝行氏 (評論家)
15:10~16:10 「ロシアの佐野碩」
伊藤愉氏 (一橋大学/ロシア演劇アカデミー)
16:25~17:55 「メキシコの佐野碩」
吉川恵美子氏 (上智大学)
18:00~18:40 全体討論
佐野碩(1905・1966)は1920年代後半の日本で、村山知義や千田是也らとともに左翼演劇活動において中心的役割を担いました。その後、1930年代は ソ連でメイエルホリドの演出助手として活躍。1937年にソ連を追放された後はラテンアメリカへ向かい、メキシコ現代演劇の父となりました。 佐野は演出の才能とその方法論に対する意識の高さにおいて日本の新劇人の中でも傑出しており、1929年の『ダントンの死』(村山知義との共同演出)、同年『全線』、1931年『西部戦線異状なし』などの日本での演出作品は、戦前の新劇の傑作に数えられています。ロシアではメイエルホリド後期の傑作『椿姫』(1934)の演出助手を務めました。メキシコでは『ラ・コロネラ』(1940)、『欲望という名の電車』(1948)、『るつぼ』(1956)他、多くの重要な作品を演出し、また1940年には演劇学校を開くなど、計り知れない功績を残しています。今回の研究会では、揺れ動く20世紀をグローバルに生きた演劇人佐野碩の活動を日本・ロシア・メキシコの三つの空間から考察したいと思います。日本演劇の視点からは佐野に関するもっとも新しい評伝、岡村春彦『自由人佐野碩の生涯』(2009)に関わられた評論家の菅孝行氏に、ロシア演劇に関してはメイエルホリド研究の伊藤愉氏に、メキシコでの活動についてはラテンアメリカ演劇の吉川恵美子氏にお話を伺います。最後に討論の時間を設けたいと思います。
◆お問い合わせ先
演劇映像学連携研究拠点事務局
Tel: 03-5286-8515 Fax: 03-5286-8516
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