シンポジウム
「1928年歌舞伎ソ連公演と日露演劇交流研究の可能性」
◆日時
2012年1月21日(土) 11:00~17:30
1月22日(日) 14:00~17:00
◆会場
早稲田大学7号館2階 206教室(早稲田キャンパス)
※入場無料・予約不要
◆概要
1928年8月、二代目市川左團次と城戸四郎松竹副社長の率い
る一座がモスクワとレニングラードで一か月の公演を行いま
した。一座の動向はソ連の新聞・雑誌をにぎわし、テーマや
演技法、装置や衣装、音楽など多岐にわたるアプローチで批
評が書かれています。これらの記事の多くが、有名なエイゼ
ンシテインと歌舞伎役者たちのものを含む多数の写真ととも
に一冊のアルバムにまとめられ、ソ連側から左團次一座に贈
られました。これが現在演劇博物館に所蔵されている「192
8年歌舞伎ソ連公演貼込帳」です。演劇博物館連携研究拠点
の日露演劇交流研究チームは、現在この資料の全訳に取り組
んでいます。記事や評論の一部は同時代に翻訳・紹介されて
いますが、貼込帳全体を通して読んでみてはじめて見えてく
ることも少なくありません。日本伝統演劇の海外進出黎明期
の記憶を今に伝える貴重な資料を改めて紹介し、ロシアのコ
ンテクストを見直します(マリコワ氏)。さらにこの公演の
意義を、岩本憲児、鴻英良、永田靖、児玉竜一各氏を迎えて
問い直してみたいと思います。2日目にはロシアから劇団テ
アトリカのピョートル・ネモイ氏を迎え、エイゼンシテイン
と伝統演劇に関する講演をいただく予定でしたが、ロシア側
の都合で来日が延期となったため、ネモイ氏提供の映像資料
を用いて研究会「ロシア演劇と伝統演劇」を開催いたします。
◆タイムテーブル
11:00~13:00 若手研究者報告
・東京バレエ学校公演『まりも』―野崎韶夫旧蔵資料より
斎藤慶子(早稲田大学大学院 博士課程)
・『寺子屋』の上演 ―ロシアにおける歌舞伎紹介の試み
エレーナ・イワノワ(早稲田大学大学院 博士課程)
・二世左團次の洋行
中村緑(東京大学大学院 博士課程)
【休憩 60分】
14:00~14:20 プレゼンテーション
・演博コレクション「二世市川左團次ソヴィエト公演記録貼込帳」とは
上田洋子(早稲田大学非常勤講師)
14:20~15:10 代読による報告
・レニングラードの文脈における1928年歌舞伎公演
マリヤ・マリコワ(ロシア科学アカデミー文学研究所上級研究員)
翻訳・代読:内田健介
【休憩 20分】
15:30~17:30 座談会
・1928年歌舞伎ソ連公演をめぐって
岩本憲児(日本大学大学院芸術学研究科教授・早稲田大学名誉教授)
鴻英良(演劇批評家)
永田靖(大阪大学大学院文学研究科教授)
児玉竜一(早稲田大学文学学術院教授)
◆2012年1月22日(日)14:00~17:00 (会場同じ)
研究会「ロシア演劇と伝統演劇―ーメイエルホリドから現代へ」
(ピョートル・ネモイ氏による講演会「エイゼンシテインと伝統演劇」は延期となりました。)
◆お問い合わせ先:uedayoko●aoni.waseda.jp
(●を@に変えて下さい)
◆主催
早稲田大学演劇博物館 演劇映像学連携研究拠点
公募研究「近代日露演劇交流とその文脈」