上映と研究報告会
「《幻灯》に見る戦後社会運動――基地と原爆――」
◆日時
2012年1月21日(土) 13:00~18:00
◆会場
早稲田キャンパス11号館603教室
※入場無料・予約不要
※定員80名・先着順
◆概要
幻灯――光源とレンズを使った静止画像の拡大映写装置――は、
映画に先行する近代的な映像メディアとして、明治期日本に広
く普及しましたが、映画時代の本格的な到来と共に、長い衰退
期を迎えます。しかし、幻灯は戦時期から占領期にかけて、教
育・宣伝メディアとして復興をとげ、占領後期から1950年代
後半までの約10年間に、明治期に次ぐ第二の全盛期を迎えます。
この時期、幻灯は学校や官庁等で教材として利用されたほか、
労働争議、反基地闘争、原水禁運動、あるいはうたごえ運動、
生活記録運動といった、戦後の主要な社会運動にとっても重要
なメディアとなり、運動の当事者による自主製作・自主上映が
盛んに行われました。今回は、神戸映画資料館所蔵の幻灯資料
のうち、「基地」と「原爆」をテーマとする4本のフィルムを
上映し、併せてさまざまな視点とアプローチによる研究発表を
行うことで、戦後社会運動のメディアとしての幻灯の知られざ
る―面を明らかにすることを試みます。
◆タイムテーブル
13:00 研究発表「《映画以後》のメディアとしての幻灯」
鷲谷花(早稲田大学演劇博物館招聘研究員)
13:30 幻灯上映『基地立川』
14:00 幻灯上映『基地横須賀』
14:40 休憩
14:55 研究発表「基地をめぐるジェンダー表象:幻灯と映画を
中心に」紙屋牧子(早稲田大学演劇博物館招聘研究員)
15:25 幻灯上映『原爆の図』
15:55 幻灯上映『ピカドン 広島原爆物語』
16:15 休憩
16:30 研究発表「幻灯版『原爆の図』『ピカドン』と50年代
《原爆の図》のメディア表現」岡村幸宣(原爆の図丸木美術館
学芸員)
17:00 研究発表「ルポルタージュの器としての紙/布/フィル
ム」鳥羽耕史(早稲田大学文学学術院准教授)
17:30 全体討議・質疑応答
18:00 終了予定
◆主催
早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点 平成23年度
公募研究「戦後映像文化史におけるオルタナティヴ的実践につ
いての実証的研究――幻灯/スライドメディアの再評価及び
映画・演劇界との連携の実態の検証を中心に――」
(代表・鷲谷花)
◆協力
神戸映画資料館