テーマ研究2「台本による歌舞伎作品復元の調査・研究」

    研究代表者 古井戸秀夫(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
    研究分担者 鈴木英一(聖学院大学日本文化学科非常勤講師)
          今岡謙太郎(武蔵野美術大学教授)
          児玉竜一(早稲田大学文学部教授)
          安冨順(桐朋学園短期大学演劇専攻非常勤講師)

 ○研究成果概要(平成22年度)
 研究目的①「演劇博物館所蔵歌舞伎台本のデータ化の研究」では、「A 虫食い破損部分の修復研究」では、修復の専門家と歌舞伎台本の研究家の共同研究が始まった。虫食いの台本が修復により、文化資源として新しい価値を獲得するかが、新たな研究課題となった。「B データ化の研究」では、昨年度データ化した、狂言作者の自筆の書き下ろし台本を多く含む「ロ16」の内容の分析に入った。
 研究目的②の個別研究の研究成果は、以下の通りである。
個別研究①「鶴屋南北の台本研究」 国立劇場復活上演候補作品として、①『曽我祭侠競』、②『念力箭立椙』の上演原案を作成した。
個別研究②「歌舞伎舞踊の台本研究」では、『命懸色の二番目』(雷のお鶴)ほか、三作品の上演原案を作成した。
個別研究③「黙阿弥の台本研究」では、『梅雨濡仲町』(国立劇場・正本写合巻集5)の編集・刊行を指導した。
個別研究④「義太夫狂言の台本研究」では、国立劇場文芸課と協力して、復活上演準備台本『大塔宮曦鎧』を刊行した。
個別研究⑤「大坂歌舞伎の台本研究」では、池田文庫所蔵の歌舞伎台本の調査を行った。
個別研究⑥「映像資料のデータ化の研究」では、①「舞踊学にとってアーカイブスとは何か」、②「山村流の舞踊」、二つのワークショップを映像データ化した。