公募研究12「日本の「国民演劇」としての宝塚歌劇-19~20世紀の日本大衆演劇・芸能の生成に関する研究-「興行」という視座から-」
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研究代表者 細井尚子(立教大学異文化コミュニケーション学部教授)
研究分担者 中野正昭(早稲田大学演劇博物館客員研究員)
濱口久仁子(逍遥協会事務局長)
吉田弥生(文教学院大学外国語学部・文教学院短期大学英語科准教授)
倉橋滋樹(宝塚市総務部人権平和室まいたに人権文化センター所長)
○研究成果概要(平成21年度)
文化と産業の両面で近代化を成功させた宝塚歌劇の特性を、地域社会との関係にも注目しつつ、日本の大衆演劇・芸能の中で定位し、海外文化の受容と独自化について多面的に解明するのを目的とし、それを達成するため、宝塚歌劇の外縁を同時代の諸形態、起点時に範とした歌舞伎、宝塚歌劇の構成要素である日本舞踊など日本演劇・芸能の系譜にあるものからのアプローチと、宝塚歌劇における地域社会との関係から探るとともに、それらと宝塚歌劇自体の変容とを時系列的に整理し、基礎作りを行うべく研究活動を行った。11月~3月の5ヶ月弱の活動期間であったが、全体での研究活動として3回の研究会と1回の資料調査を実施した。
第1回研究会 11月7日 於池田文庫会議室 13:45~15:30
第2回研究会 1月30日 於早稲田大学7号館203 11:00~14:00
第3回研究会 3月12日 於池田文庫会議室 15:00~17:00
於宝塚市男女参画センター 18:00~21:00
研究会では、メンバー各自の研究成果を共有し、効率的に目的を達成するための研究計画、及び共有した研究成果を各自にフィードバックした分担研究を行った。また、箕面市総務課、池田文庫など関連資料所蔵機関での資料調査、及び研究協力体制の構築を行った。
○研究業績
・論文
細井尚子 「中国の芝居の文系男子問題」 『大衆文化』3号 2~19頁 2010/3
濱口久仁子 「財団法人逍遥協会の歩み・その前身から現在までー演劇博物館・国劇向上会・逍遥協会」 『平成21年度演劇映像学研究拠点共同研究「坪内逍遥の演劇分野の功績に関する多角的研究」報告書』 9~12頁
中野正昭 「乱歩とラン子─江戸川乱歩にみるレヴュー・ガールへの憧憬と拒絶─」 『文芸研究』第111号 55~79頁 2010/3
阿部さとみ 「長唄所作事「白酒売」をめぐって」 演劇博物館グローバルCOE紀要『演劇映像学2009』第4集 201~223頁 2010/3
・その他
SPRITの中国語教育研究室コミュニティー 「江戸歌舞伎の大問屋 河竹黙阿弥」 『演劇界』2010年3月号 10頁~17頁、24頁 2010/3