公募研究4「坪内逍遙の演劇分野の功績に関する多角的研究」

    研究代表者 林和利(名古屋女子大学文学部)
    研究分担者 濱口久仁子(逍遥協会事務局長)
            小島智章(早稲田大学大学院文学研究科)
            鳥越文蔵(早稲田大学名誉教授)
            梅澤宣夫(早稲田中学高校教諭)
            ダニエル・ガリモア(日本女子大学准教授)
            村瀬英彦(美濃加茂市民ミュージアム学芸員)

 ○研究成果概要(平成21年度)
1、報告書『坪内逍遙の演劇分野の功績に関する多角的研究』(80頁)を平成22年2月26日に刊行した。序「逍遙に関わる自分史」(鳥越文蔵)を筆頭に、逍遙顕彰活動の経緯と成果として、「胸像 碑など」(鳥越文蔵)、「財団法人逍遙協会の歩み・その前身から現在まで」(松山薫・濱口久仁子・小島智章)、「「逍遙フォーラム」の活動成果」(林和利)、「美濃加茂市における逍遙顕彰の取り組み」(村瀬英彦)の4本、論考として「シェイクスピアを訳した日本人」(ダニエル・ガリモア)、「坪内逍遙作『沓手鳥孤城落月』の研究史」(梅澤宣夫)の2本を収録。この研究会は、坪内逍遙が近代日本の演劇分野に果たした功績を様々な角度から検証することを目的としている。そのために、逍遙研究者と逍遙顕彰組織の責任者にメンバーとして加わっていただいたが、それら顕彰組織の過去の顕彰活動の実績と成果を報告してもらうとともに、最新の研究成果を盛り込んで報告書とした。貴重な記録として評価されるものと思う。
2、歌舞伎俳優の中村富十郎氏を講師として講演会「坪内逍遙の歌舞伎・舞踊作品をめぐって」を開催し、逍遙作の舞踊「良寛と子守」「一休禅師」演じた経験から、逍遙作品に対する感懐や思い出を語っていただいた。演者の立場から逍遙の舞踊作品の価値が浮き彫りになり、再評価につながる結果となった。
3、明治学院大学名誉教授の大場建治先生を講師として研究講演会「坪内逍遙のシェイクスピア研究、翻訳をめぐって」を開催し、逍遙のシェイクスピア研究と翻訳の業績を現代の研究水準で捉え直していただいた。日本のシェイクスピア受容史と研究史に果たした逍遙の役割の大きさと価値が、最先端の学術的レベルで明らかになった。


○研究業績

なし